定年が間近に迫り、会社を辞めた後どのように生活していこうかとあれこれ考えこむことはありませんか。悩んでも考えてもすぐに答えは見つかりません。それどころかますます深みにはまり抜け出せなくなっていきます。
定年後、再雇用・再就職する気にもならず、かといってこれといった趣味もない場合、一日家で過ごすようにならざるを得ません。次第に家族からもけむたがれるようになり、自分は社会に必要とされていないという疎外感、不幸になる思考パターンにはまってしまう方が増えています。
そんな状況にならないために、会社員時代とは違う生き方に変えて活力ある日々を送ることが出来るヒントをお伝えしていきたいと思います。60歳、65歳からの人生、まだまだ続きます。10年、20年、30年、大いに活躍をして日本の社会を良くしていこうではありませんか。
定年後の過ごし方 生き方を変えてみよう
村長は、サンタ村の中心地にある広場に出向いた。うららかな日差しの中でベンチに腰をおろし、話の花を咲かせている村人たちをみるとホッとするのであった。
そんな中、一人の男性が村長に近寄ってきた。名は杉さんの愛称で慕われている杉山さんだった。

村長、ちょっと聞いてくれるかい。オレさぁ、今年の12月で定年なんだよ。再雇用で働くのも面倒だと思って潔くやめることにしたんだけどさ。
「いいじゃない、杉さん。やめて好きなことに没頭できるじゃないか」
杉さんは首を振って眉根を寄せた。

そんないい話じゃないって。何もすることがないんだよ。こんなつまらないことないじゃないか。毎日、ああだこうだと言いながらも働いてきたんだよ。それがいきなり終わりだよ。いったいどうしたらいいんだってことよ。
「そうか、杉さんはこの先どうしたらいいのかわからなくなってるんだ」

そうだよ、村長。オレみたいな何の取り柄もない人間はこれからも何の取り柄もなく生きていいくんだよ。おっかあ(奥さん)に相談したって好きにすれば答えしか返ってこないし。
村長は杉さんに向かって今の話を整理して伝えた。
- 定年後、何もすることがない。
- 何もしないことはつまらないことだ。
- 再雇用で働くのは、面倒だからやめた。
- 自分は何の取り柄もない人間だと思っている。
- 奥さんは、好きにしたらいいと言っている。
まとめるとこんな感じかな。
「いいかい杉さん、実はその言葉のうしろにどんな言葉が隠れているか意識したことはあるかい?」
杉さんは首をかしげたまま動かなくなった。
「このままだと、定年後、不幸になる人の思考パターン一直線だよ」
村長は、続けた。

会社人間にありがちなんだけど、定年後も会社人間のままの人が多いんだなぁ。営業成績にダメだしもらった、だから頑張って成績をあげるわけだ。書類にミスを指摘された。これではダメだからやり直す。ダメをもらったことが次の行動につながるわけだ。これを定年後に当てはめると、何もすることがない、だからダメ、つまらないことはダメ、こんな風に知らず知らずに自分にダメ出ししている。しかもそれが次の行動につながっていない。会社はやり直ししなきゃいけないから何とかやってこれたけど、定年後は何もすることが無くなるからね。しまいには奥さんにもダメ出ししているし…」
「そうかなぁ」
「自分にダメ出ししているんだからどんどん深みにはまって不幸になっていく、意欲もなくなって社会から離れていく…、こんなんでいいのかい?」
「それは、困るよ。まだまだ元気だしさ」
定年後の過ごし方 生き方を変えて楽しみましょう!

杉さんは、何とか定年後に不幸になる思考パターンから抜け出そうと必死になってきた。
「まずは、ダメ出しから抜け出していこう。ダメという言葉をOKに変えていく。
- 定年後、何もすることがない。OK。いいじゃないか。
- 何もしないことはつまらないことだ。OK、素晴らしいことだ。
- 再雇用で働くのは、面倒だからやめた。やめてOKだ。
- 自分は何の取り柄もない人間だと思っている。大丈夫、OK。
- 奥さんは、好きにしたらいいと言っている。OK、ありがたい。
こんな風に書き換えていったらどうだい?
「結構、面白いかも」

そうなんだよ、面白いんだ。何もすることがない、OK、しなくたっていいじゃないか。あくせくしたって仕方がない、そのうち見つかるだろう。こんな感じでいいんだよ。自分にOKを出していくと、不思議なことに自信が生まれてくる。自信とは、自分を信じること。自分を信じたものが不幸な思考パターンから抜け出せるんだね。
杉さんは、次第に口元がほころんできた。
「そうか、これからは自分の言葉にある、言葉では言い表せていない本音の部分にもっと光を当ててみたくなったよ」
「正直、長年の習慣を改めるのは時間がかかる場合がある。でも杉さんだったら大丈夫だよ。何をしたってOKなんだからさ、自由気ままに過ごしたらいいよ。あ、でも奥さん孝行だけは忘れないでよ」
杉さんは、大きくうなずき大手を振って去っていった。
まとめ

定年後、不幸な思考パターンにはまり、疎外感にさいなまれる人が増えています。会社時代に染まったダメ出し思考をどんどん外に出していき、OK思考をたくさん取り入れて明るく過ごしてまいりましょう。どんなに濁った汚れた水でも入れ替えさえできればきっときれいな澄んだ水に生まれ変わります。

